東京都西多摩郡奥多摩町、多摩川上流に位置する小河内ダム(おごうちダム)。その巨大な重力式コンクリートダムは、首都東京の約2割の水需要をまかなう、まさに「都民の水がめ」として重要な役割を担っています。ダムによって形成された広大な人造湖「奥多摩湖」は、四季折々の美しい景観で訪れる人々を魅了します。

今回は、そんな小河内ダムの基本情報から、建設の背景、見どころ、そして訪問に役立つアクセス情報やダムカード情報まで、小河内ダムのすべてを余すことなくご紹介します。都会の喧騒から離れ、奥多摩の豊かな自然と、人類の叡智が結集した巨大建造物の共存を、一緒に深く探りに行きましょう!
基本情報
小河内ダムは、主に水道用水の供給を目的とする、多目的ダムです。
正式名称 | 小河内ダム(おごうちだむ) |
所在地 | 東京都西多摩郡奥多摩町 |
河川名 | 多摩川水系多摩川 |
型式 | 非越流型直線重力式 コンクリートダム |
堤高 | 149.0m |
堤頂長 | 353.0m |
着工年 | 1938年(昭和13年) |
完成年 | 1957年(昭和32年) |
主な目的 | W:上水道 P:発電 |
管理者 | 東京都水道局 |
ダムの歴史と背景
小河内ダムの建設は、大正時代に始まる東京の急速な人口増加とそれに伴う水需要の増大に対応するため、東京市の広域水道計画の一環として計画されました。当時、東京の水源は不足しており、将来の安定的な水供給が喫緊の課題となっていました。
1938年(昭和13年)に着工されましたが、用地買収の難航、神奈川県との水利権問題、そして太平洋戦争による工事中断など、数々の困難に直面しました。しかし、戦後、復興と人口増加が再び加速する中で、工事は再開され、着工から約19年の歳月をかけた1957年(昭和32年)に、ついに完成しました。
「都民の水がめ」として建設された小河内ダムは、完成以来、東京都の水道水供給に不可欠な役割を担い続けています。また、ダム直下には多摩川第一発電所が併設され、水力発電も行われています。その雄大な姿は、困難を乗り越えて完成した、当時の土木技術の結晶であり、現在も東京の都市活動を支える重要なインフラとして機能しています。
見どころ・楽しみ方
小河内ダムは、その巨大な堤体と、豊かな自然に囲まれた奥多摩湖が織りなす壮大な景観が最大の魅力です。
巨大な重力式コンクリートダムの迫力:堤高149m、堤頂長353mというスケールは、間近で見るとその迫力に圧倒されます。堅牢なコンクリートの堤体は、長い年月をかけて東京の水を支え続けてきた歴史を感じさせます。ダム天端は広々としており、散策しながら奥多摩湖の雄大な景色を堪能できます。


「奥多摩湖」の絶景:小河内ダムによってできた奥多摩湖は、その雄大さから「ダム湖百選」にも選ばれていま四季折々に表情を変え、春は桜、夏は深緑、秋は紅葉、冬は雪景色と、一年を通じて美しい自然のパノラマが広がります。特に秋の紅葉シーズンは、湖面と山々のコントラストが見事です。
浮橋「ドラム缶橋」:奥多摩湖には、湖面を歩いて渡れる「ドラム缶橋」(麦山の浮橋、留浦の浮橋)と呼ばれる珍しい浮橋があります。湖面に浮かぶドラム缶の上を歩くユニークな体験は、奥多摩湖ならではの楽しみ方です。湖面に吹く風を感じながら、自然と一体になったような感覚を味わえます。
奥多摩 水と緑のふれあい館:ダム湖畔にある「奥多摩 水と緑のふれあい館」では、小河内ダムの歴史や役割、奥多摩の自然について、展示や映像で楽しく学ぶことができます。展望スペースからは奥多摩湖を一望でき、休憩や食事も可能です。
小河内ダム展望塔:ダムを見下ろす高台に位置する展望塔からは、ダム全体と奥多摩湖の雄大な景色を満喫できます。


アクセス
小河内ダム(奥多摩湖)は、東京都心から日帰りでもアクセス可能です。
- 電車・バス:JR青梅線「奥多摩駅」から西東京バス「奥多摩湖」バス停下車すぐ。
- 駐車場は、
ダムカード情報
小河内ダムでも、人気の「ダムカード」を配布しています。訪問の記念にぜひ手に入れましょう。
配布場所 | 小河内ダム展望塔 |
配布時間 | 10:00~16:00 (ただし、7/20から8/31は17:00まで。 年末年始は除く) |
配布条件 | ダムを訪れた方に配布 |
配布場所 | 奥多摩 水と緑のふれあい館 |
配布時間 | 9:30~17:00 (水曜日、年末年始は除く) |
配布条件 | ダムを訪れた方に配布 |
※最新の配布情報や時間変更の可能性もあるため事前の確認をおすすめします。
まとめ
東京の奥多摩に位置する小河内ダムは、巨大な重力式コンクリートダムであり、首都圏の暮らしを支える「都民の水がめ」として極めて重要な存在です。その歴史は、水確保に奮闘した人々の努力と英知の結晶でもあります。
奥多摩湖の雄大な自然と一体となった景色、そして浮橋を渡るユニークな体験は、訪れる人々に非日常の感動を与えてくれます。ぜひ一度、小河内ダムを訪れて、そのスケールと、東京を支える水の恵みを肌で感じてみてください。
訪問日 | 2023年8月16日 |
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