栃木県矢板市、那珂川水系宮川に位置する寺山ダム（てらやまだむ）。その雄大なロックフィルダムの姿は、周囲の豊かな里山と見事に調和し、地域の洪水調節、河川維持用水、そして上水道の確保を目的とした重要なインフラとして、人々の暮らしを支え続けています。
今回は、そんな寺山ダムの基本情報から、建設の背景、見どころ、そして訪問に役立つアクセス情報やダムカード情報まで、寺山ダムのすべてを余すことなくご紹介します。矢板の自然と共生するダムの魅力を、一緒に深く探りに行きましょう！
基本情報
寺山ダムは、治水・利水と多岐にわたる目的を持つ多目的ダムです。
| 正式名称 | 寺山ダム（てらやまだむ） |
| 所在地 | 栃木県矢板市 |
| 河川名 | 那珂川水系宮川 |
| 型式 | センターコア型ロックフィルダム |
| 堤高 | 62.2ｍ |
| 堤頂長 | 260.0ｍ |
| 着工年 | 1980年（昭和55年） |
| 完成年 | 1985年（昭和60年） |
| 主な目的 | F：洪水調整 N：流水機能維持 W：上水道 |
| 管理者 | 栃木県 |
ダムの歴史と背景
寺山ダムの建設は、宮川流域における洪水被害の軽減、そして矢板市への安定した上水道の供給を目的として計画されました。宮川は、集中豪雨時にはその水量が増大し、かつては下流の平野部に影響を与えることがありました。また、地域の発展に伴い、生活用水の需要も増大していました。
1972年に着工し、約12年の歳月をかけて1984年に完成しました。土砂や岩石を積み上げて造られるロックフィルダムの中でも、中央に粘土質の遮水壁を持つ「センターコア型ロックフィルダム」という形式が採用されています。このダムは、完成以来、宮川の洪水調節能力を高めることで下流域の安全性を確保するとともに、安定した上水道の供給源としての役割も担っています。現在も、貯水池の水質保全事業に取り組むなど、地域環境との調和を重視した管理が続けられています。寺山ダムは、地域の安全と豊かな暮らしを支える重要なインフラとして、現在もその役割を果たし続けています。
見どころ・楽しみ方
寺山ダムは、その雄大なロックフィルダムの姿と、周囲の四季折々の自然が織りなす景観が大きな魅力です。
雄大なロックフィルダムの堤体：土砂や岩石を積み上げて造られたロックフィルダムならではの、広大な堤体は圧巻です。堤頂は歩行者用通路として開放されており、そのスケールを肌で感じられます。
ダム湖（寺山湖）の景観：ダム湖は「寺山湖」と呼ばれ、周囲の里山と調和した美しい水面が広がります。特に新緑の季節や、紅葉が湖面に映り込む秋の景観は格別です。湖畔でのんびり過ごしたり、ドライブを楽しんだりするのに最適です。
水質保全の取り組み：ダム湖では、水質保全のため、浮島式と固定式の2種類の水の循環装置が設置されています。環境への配慮がなされている点にも注目してみましょう。
ダム管理所：ダムの役割や構造について学べる展示や情報があります。ダムカードもこちらで配布されています。
周辺の自然散策：ダムの近辺には鉱泉が数多く湧いており、上流には「栃木県県民の森」もあります。ダム見学と合わせて、里山の豊かな自然を満喫するのもおすすめです。
アクセス
寺山ダムは、栃木県矢板市の山間部に位置しており、車でのアクセスが便利です。
- 東北自動車道「矢板IC」から県道30号などを経由し、約15～20分。
- 駐車場は、ダム管理者前に整備されています。
ダムカード情報
寺山ダムでも、人気の「ダムカード」を配布しています。訪問の記念にぜひ手に入れましょう。
| 配布場所 | 寺山ダム管理所 |
| 配布時間 | 9:00～17:00（土日祝を除く） |
| 配布条件 | ダムを訪れた方に配布 |
※最新の配布情報や時間変更の可能性もあるため事前の確認をおすすめします。
まとめ
栃木県の寺山ダムは、矢板の里山に溶け込む雄大なロックフィルダムであり、治水・利水という重要な役割を担っています。その堅固な姿と、四季折々に表情を変える静かなダム湖は、訪れる人々に安らぎと感動を与えてくれます。
地域の安全と暮らしを支えながら、自然との共生を目指す寺山ダム。ぜひ一度、この寺山ダムを訪れて、その壮大なスケールと、里山の水の恵みを肌で感じてみてください。
| 訪問日 | 2023年8月17日 |
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