栃木県日光市、鬼怒川（きぬがわ）の深い渓谷に位置する川俣ダム（かわまただむ）。その流麗なアーチ式コンクリートダムの姿は、周囲の豊かな自然と見事に調和し、特にダム直下にかかるスリル満点の「渡らっしゃい吊橋」は、訪れる人々を魅了します。
今回は、そんな川俣ダムの基本情報から、建設の背景、見どころ、そして訪問に役立つアクセス情報やダムカード情報まで、川俣ダムのすべてを余すことなくご紹介します。鬼怒川の秘境が育むダムの魅力を、一緒に深く探りに行きましょう！
基本情報
川俣ダムは、治水・利水・発電と多岐にわたる目的を持つ多目的ダムです。
| 正式名称 | 川俣ダム（かわまただむ） |
| 所在地 | 栃木県日光市 |
| 河川名 | 利根川水系鬼怒川 |
| 型式 | アーチ式コンクリートダム |
| 堤高 | 117.0ｍ |
| 堤頂長 | 131.0ｍ |
| 着工年 | 1959年（昭和34年） |
| 完成年 | 1966年（昭和41年） |
| 主な目的 | F：洪水調整 N：流水機能維持 P：発電 |
| 管理者 | 国土交通省 |
ダムの歴史と背景
川俣ダムの建設は、利根川水系鬼怒川流域における洪水被害の軽減、そして戦後の復興期から高度経済成長期にかけての電力需要の増大に対応するため、鬼怒川上流ダム群の一つとして計画されました。鬼怒川は、その流域が広く、かつては度々洪水に見舞われ、下流の市街地や農地に甚大な被害をもたらしていました。
1959年に着工し、約7年の歳月をかけて1966年に完成しました。このダムは、その美しいアーチ形状が特徴であり、深い渓谷を活かした設計となっています。完成以来、鬼怒川の洪水調節能力を高めることで下流域の安全性を確保するとともに、安定した農業用水や上水道の供給源としての役割も担っています。さらに、水力発電にも利用され、クリーンなエネルギーを生み出しています。川俣ダムは、地域の安全と豊かな暮らしを支える重要なインフラとして、現在もその役割を果たし続けています。
見どころ・楽しみ方
川俣ダムは、その美しいアーチ式コンクリートダムの姿と、スリル満点の吊り橋、そして四季折々の鬼怒川渓谷の景観が大きな魅力です。
優美なアーチダムの堤体：曲面を描くアーチ式の堤体は、その構造美で訪れる人を魅了します。堤頂からはダム湖と下流の渓谷を同時に眺めることができ、その雄大さを実感できます。
渡らっしゃい吊橋：ダム下流には、谷底から100mの高さに架かる、長さ120mの「渡らっしゃい吊橋」があります。スリル満点の空中散歩を楽しみながら、ダム本体を見上げることができます。
ダム湖の景観：ダム湖は「瀬戸合峡」と呼ばれ、特に秋の紅葉シーズンは、色鮮やかな木々が湖面に映り込み、息をのむような美しさです。新緑の季節もまた格別です。
ダム資料館：川俣ダム管理支所内にはダムの役割や構造、歴史に関する展示資料室が設けられており、ダムへの理解を深めることができます。
アクセス
川俣ダムは、栃木県日光市の山間部に位置しており、車でのアクセスが便利です。
- ダム駐車場からダムまでは徒歩で10分ほどです。
- 川俣温泉から先、川俣ダムへの道は一部狭くカーブが続く山道となります。運転には十分ご注意ください。
ダムカード情報
川俣ダムでも、人気の「ダムカード」を配布しています。訪問の記念にぜひ手に入れましょう。
| 配布場所 | 川俣ダム管理支所 |
| 配布時間 | 9:00～16:00（土日祝を除く） ※11月下旬～4月下旬は冬季閉鎖 |
| 配布条件 | ダムを訪れた方に配布 |
※最新の配布情報や時間変更の可能性もあるため事前の確認をおすすめします。
まとめ
栃木県の川俣ダムは、その美しいアーチ式コンクリートダムの姿と、スリル満点の吊り橋、そして四季折々の鬼怒川渓谷の自然が魅力のダムです。治水・利水・発電という重要な役割を担いながら、地域の安全と暮らし、そして観光を支える存在として親しまれています。
雄大な自然の中に溶け込むアートのようなダム、川俣ダム。ぜひ一度、この川俣ダムを訪れて、その壮大なスケールと、鬼怒川の水の恵みを肌で感じてみてください。
| 訪問日 | 2023年8月18日 |
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