栃木県日光市、奥日光の山々に囲まれた砥川(とがわ)に位置する今市ダム(いまいちだむ)。その堅牢な重力式コンクリートダムの姿は、周囲の豊かな自然と調和し、東京電力リニューアブルパワーが管理する大規模な揚水発電所「今市発電所」の下部調整池として、日本の電力供給を支える重要な役割を担っています。
今回は、そんな今市ダムの基本情報から、建設の背景、見どころ、そして訪問に役立つアクセス情報やダムカード情報まで、今市ダムのすべてを余すことなくご紹介します。奥日光の自然が育むエネルギーの源、今市ダムの魅力を、一緒に深く探りに行きましょう!
基本情報
今市ダムは、純揚水式水力発電の下池(調整池)として利用される発電専用ダムです。
正式名称 | 今市ダム(いまいちだむ) |
所在地 | 栃木県日光市 |
河川名 | 利根川水系砥川 |
型式 | 重力式コンクリートダム |
堤高 | 75.5m |
堤頂長 | 177m |
着工年 | 1980年(昭和55年) |
完成年 | 1986年(昭和61年) |
主な目的 | P:発電 |
管理者 | 東京電力リニューアブルパワー |
ダムの歴史と背景
今市ダムの建設は、日本の高度経済成長に伴い増大する電力需要に対応するため、揚水式水力発電所である「今市発電所」の一部として計画されました。揚水発電は、電力需要が少ない夜間などに、下池の水を上池(栗山ダム)へ汲み上げ、電力需要が高い昼間などに、上池から下池へ水を流して発電する仕組みです。これにより、電力の安定供給と効率的な運用が可能になります。
1978年に着工し、約13年の歳月をかけて1991年に完成しました。今市ダムは、上池の栗山ダムとの間で水を往来させ、最大105万キロワットもの発電を行う、国内有数の大規模な純揚水発電所の一部を構成しています。ダム本体の建設においては、自然環境への配慮もなされ、掘削した岩石がダムのコンクリート材料として利用されるなど、工夫が凝らされました。今市ダムは、普段は目にすることのない地下に設置された発電所と共に、日本の電力インフラを支える重要な役割を担い続けています。

見どころ・楽しみ方
今市ダムは、その堅牢な重力式コンクリートダムの姿と、周囲の奥日光の豊かな自然が大きな魅力です。
ダム堤体と周辺の景観:堅実なコンクリートダムの堤体は、その存在感を見せてくれます。周辺は奥日光の深い山々に囲まれており、四季折々の美しい自然景観を楽しむことができます。


ダム湖(今市調整池)の静けさ:ダム湖は「今市調整池」と呼ばれ、揚水発電の下部貯水池として利用されています。水量の変動はありますが、概ね静かで落ち着いた水面が広がります。周囲の緑と調和した湖面は、訪れる人々に安らぎを与えてくれます。
揚水発電のスケールを想像する:今市ダムは、地下深くに建設された今市発電所と、上部の栗山ダムと一体となって機能する揚水発電システムの一部です。目には見えない巨大なエネルギーの流れを想像しながらダムを眺めるのも、興味深い体験です。
野生動物との出会い:ダム周辺は豊かな自然に恵まれており、野生のサルなどの動物に出会うこともあります。自然観察をしながらの散策もおすすめです。
アクセス
今市ダムは、栃木県日光市の山間部に位置しており、車でのアクセスが便利です。
- 宇都宮道路「今市IC」から国道121号などを経由し、約30~40分。
- ダムへの道は山間部に入ると狭くなる箇所もありますので、運転には注意が必要です。
- 駐車場は、ダム管理所付近に整備されています。
ダムカード情報
今市ダムでも、人気の「ダムカード」を配布しています。訪問の記念にぜひ手に入れましょう。
配布場所 | 道の駅日光 日光街道ニコニコ本陣 観光情報館 ※ダムから離れています |
配布時間 | 9:00~17:00(休館日を除く) |
配布条件 | ダムを訪れた方に配布 ※ダムに行った写真が必要 |
※最新の配布情報や時間変更の可能性もあるため事前の確認をおすすめします。
まとめ
栃木県の今市ダムは、奥日光の豊かな水力を活用した大規模な揚水発電を支える重力式コンクリートダムです。その堅実な姿と、周囲の雄大な自然が織りなす景観は、訪れる人々に静けさと共に、日本の電力インフラを支えるダムの重要性を感じさせてくれます。
ぜひ一度、この今市ダムを訪れて、その穏やかな存在感と、水の恵みから生まれるエネルギーの源を肌で感じてみてください。
訪問日 | 2023年8月16日 |
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