福島県双葉郡大熊町、熊川の支流である坂下川に位置する坂下ダム(さかしたダム)。その堅牢な重力式コンクリートダムの姿は、周囲の豊かな山々と見事に調和し、地域の洪水調節と水供給に重要な役割を担っています。東日本大震災と原子力災害を乗り越え、地域の復興を静かに見守り続けているダムです。

今回は、そんな大熊町の坂下ダムの基本情報から、建設の背景、見どころ、そして訪問に役立つアクセス情報やダムカード情報まで、坂下ダムのすべてを余すことなくご紹介します。
基本情報
坂下ダムは、利水と発電の両方を目的とする多目的ダムです。
正式名称 | 坂下ダム(さかしただむ) |
所在地 | 福島県双葉郡大熊町/富岡町 |
河川名 | 熊川水系大川原川 |
型式 | 重力式コンクリートダム |
堤高 | 43.0m |
堤頂長 | 215.0m |
総貯水容量 | 2,840,000㎥ |
着工年 | 1968年(昭和43年) |
完成年 | 1973年(昭和48年) |
主な目的 | A:農業用水 P:発電 |
管理者 | 大熊町 |
ダムの歴史と背景
坂下ダムの建設は、熊川の支流である坂下川流域における洪水被害の軽減と、周辺農地への安定的な農業用水の供給を目的として計画されました。この地域は農業が盛んでしたが、水害への備えと、天候に左右されない安定した水源の確保が長年の課題でした。
1968年に着工された坂下ダムは、約5年の歳月をかけて1973年に完成しました。その堅牢な重力式コンクリートダムは、完成以来、地域の安全と安定した農業用水の供給を支える重要なインフラとして機能してきました。
2011年の東日本大震災とそれに伴う原子力災害後、大熊町は長期にわたり帰還困難区域が設定されましたが、現在は避難指示が解除され、少しずつ復興への歩みを進めています。坂下ダムもまた、この地域の復興を静かに見守り続けています。

見どころ・楽しみ方
坂下ダムは、その堅実なダムの姿と、周囲の穏やかな自然が大きな魅力です。
堅牢な重力式コンクリートダムの堤体:堤高43m、堤頂長215mの重力式コンクリートダムは、その安定感と存在感が特徴です。堤頂は開放されており、歩きながらダム湖と周辺の山々を眺めることができます。


ダム湖(坂下ダム湖)の景観:ダムによって形成されたダム湖は、周囲の里山と調和した美しい水面が広がります。特に新緑の季節や、秋の紅葉が湖畔を彩る時期には、穏やかで心安らぐ景色を楽しむことができます。
周辺の里山散策:ダム周辺は、自然を活かした散策路が整備されている場所もあります。のんびりとウォーキングを楽しみながら、里山の豊かな自然を満喫できます。
アクセス
坂下ダムは、福島県大熊町に位置しており、車でのアクセスが便利です。
- 常磐自動車道「常磐富岡IC」または「常磐双葉IC」から車で約20分。
- 駐車場はダム付近にありません。交通の妨げにならないように注意が必要です。
ダムカード情報
坂下ダムでも、人気の「ダムカード」を配布しています。訪問の記念にぜひ手に入れましょう。
配布場所 | 坂下ダム管理事務所 |
配布時間 | 9:00~12:00・13:00~16:00(平日のみ) |
配布条件 | ダムを訪れた方に配布 |
配布場所 | 大熊町役場本庁舎(日直室) |
配布時間 | 9:00~16:00(土日祝のみ) |
配布条件 | ダムを訪れた方に配布 |
※最新の配布情報や時間変更の可能性もあるため事前の確認をおすすめします。
まとめ
福島県大熊町の坂下ダムは、その堅実な重力式コンクリートダムの姿と、周囲の穏やかな自然が魅力のダムです。地域の安全と暮らしを支える重要な役割を担いながら、東日本大震災からの復興を静かに見守り続けています。
ぜひ一度、この坂下ダムを訪れて、その堅実な存在感と、大熊町の水の恵みを肌で感じてみてください。
訪問日 | 2025年8月13日 |
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