宮城県大崎市、江合川に位置する鳴子ダム（なるこだむ）。その優美なアーチ式コンクリートダムの姿は、周囲の豊かな山々と見事に調和し、地域の治水と水供給に重要な役割を担っています。特に、国内で最も早く建設されたアーチ式ダムの一つであり、その美しい放流「すだれ放流」でも全国的に知られています。
今回は、そんな鳴子ダムの基本情報から、建設の背景、見どころ、そして訪問に役立つアクセス情報やダムカード情報まで、鳴子ダムのすべてを余すことなくご紹介します。
基本情報
鳴子ダムは、治水と利水、発電を目的とする多目的ダムです。
| 正式名称 | 鳴子ダム（なるこだむ） |
| 所在地 | 宮城県大崎市 |
| 河川名 | 北上川水系江合川 |
| 型式 | アーチ式コンクリートダム |
| 堤高 | 94.5ｍ |
| 堤頂長 | 215.0ｍ |
| 総貯水容量 | 50,000,000㎥ |
| 着工年 | 1952年（昭和27年） |
| 完成年 | 1957年（昭和32年） |
| 主な目的 | F：洪水調整 A：農業用水 P：発電 |
| 管理者 | 国土交通省 |
ダムの歴史と背景
鳴子ダムの建設は、江合川流域における洪水被害の軽減と、大崎平野への安定した農業用水供給を目的として計画されました。この地域は、水害への備えと、農業生産の安定が長年の課題でした。
1952年に着工された鳴子ダムは、戦後復興のシンボルとして、当時国内ではまだ珍しかったアーチ式という先進的な工法が採用されました。この方式は、少ないコンクリート量で水の圧力を分散させることができ、特に狭いV字谷に適しています。約5年の歳月をかけて1957年に完成し、以来、地域の安全と農業を支える重要なインフラとして機能し続けています。
見どころ・楽しみ方
鳴子ダムは、その特殊なダム形式と、名物である放流が大きな魅力です。
優美なアーチ式ダムの堤体：堤高94.5m、堤頂長215mの優美な曲線を描く堤体は、見る者に強いインパクトを与えます。その技術と美しさが融合した造形美を堪能できます。
名物「すだれ放流」：鳴子ダムの最大の見どころは、通常は行われない観光放流**「すだれ放流」**です。堤体上部から複数の穴を通して水を一斉に放流する様子が、まるで簾（すだれ）のように見えることからこの名が付きました。例年GWやお盆の時期に実施され、その迫力と美しさに多くの見学者が訪れます。
紅葉の名所としても有名：ダム周辺は、秋になると見事な紅葉に彩られます。赤や黄色に染まった山々と、ダム湖の青い水面、そして白い放流のコントラストは、絶景として知られています。
アクセス
鳴子ダムは、宮城県大崎市に位置しており、車でのアクセスが便利です。
- 東北自動車道「古川IC」から車で約50分。
- 駐車場は、ダム管理所と展望広場駐車場が整備されています。
ダムカード情報
鳴子ダムでも、人気の「ダムカード」を配布しています。訪問の記念にぜひ手に入れましょう。
| 配布場所 | 鳴子ダム管理所 |
| 配布時間 | 8:30～17:00（土日祝を含む） |
| 配布条件 | ダムを訪れた方に配布 |
※最新の配布情報や時間変更の可能性もあるため事前の確認をおすすめします。
まとめ
宮城県大崎市に位置する鳴子ダムは、その優美なアーチ式コンクリートダムの姿と、名物の「すだれ放流」が魅力のダムです。地域の安全と暮らしを支える重要な役割を担いながら、訪れる人々に心安らぐ時間と、美しい自然の景色を提供してくれます。
ぜひ一度、この鳴子ダムを訪れて、その堅実な存在感と、水の恵みを肌で感じてみてください。
| 訪問日 | 2025年8月14日 |
コメント