宮城県仙台市、名取川水系大倉川に位置する大倉ダム(おおくらダム)。その国内でも珍しいダブルアーチ式コンクリートダムの姿は、周囲の豊かな山々と見事に調和し、仙台北部の治水と水供給に重要な役割を担っています。ダムによって形成された「大倉湖」は、美しい景色が広がり、周辺の景勝地と合わせて多くの観光客が訪れます。

今回は、そんな大倉ダムの基本情報から、建設の背景、見どころ、そして訪問に役立つアクセス情報やダムカード情報まで、大倉ダムのすべてを余すことなくご紹介します。
基本情報
大倉ダムは、治水と利水の両方を目的とする多目的ダムです。
正式名称 | 大倉ダム(おおくらだむ) |
所在地 | 宮城県仙台市青葉区 |
河川名 | 名取川水系大倉川 |
型式 | アーチ式コンクリートダム |
堤高 | 82.0m |
堤頂長 | 323.0m |
総貯水容量 | 28,000,000㎥ |
着工年 | 1958年(昭和33年) |
完成年 | 1962年(昭和37年) |
主な目的 | F:洪水調整 N:流水機能維持 A:農業用水 W:上水道 I:工業用水 P:発電 |
管理者 | 宮城県 |
ダムの歴史と背景
大倉ダムの建設は、大倉川流域における洪水被害の軽減と、仙台市への安定した水道水の供給を目的として計画されました。特に仙台市の人口増加に伴う水需要の増大は、喫緊の課題でした。
1958年に着工された大倉ダムは、当時国内では非常に珍しいダブルアーチ式という革新的な工法が採用されました。この方式は、重力式よりも少ないコンクリート量で水の圧力を分散させることができ、特に狭いV字谷に適しています。約6年の歳月をかけて1963年に完成し、以来、仙台の暮らしを支える重要なインフラとして機能し続けています。

見どころ・楽しみ方
大倉ダムは、その特殊なダム形式と、周囲の豊かな自然が大きな魅力です。
国内でも稀なダブルアーチ式ダムの堤体:堤高82m、堤頂長323mの雄大な堤体は、見る者に強いインパクトを与えます。水の圧力をアーチ構造で受け止めるため、優美な曲線を描いており、技術と美しさが融合した造形美を堪能できます。


ダム湖「大倉湖」の景観:ダム湖は、周囲の豊かな山々と調和した美しい水面が広がります。特に新緑の季節や、秋の紅葉が湖畔を彩る時期には、穏やかで心安らぐ景色を楽しむことができます。

定義如来との組み合わせ:ダムからほど近い場所には、古くから信仰を集める「定義如来 西方寺」があります。ダム見学と合わせて、周辺の景勝地を巡るのがおすすめです。
アクセス
大倉ダムは、宮城県仙台市に位置しており、車でのアクセスが便利です。
- 東北自動車道「仙台宮城IC」から車で約40分。
- 駐車場は、ダム管理所とダム下流側の公園に設置されています。
ダムカード情報
大倉ダムでも、人気の「ダムカード」を配布しています。訪問の記念にぜひ手に入れましょう。
配布場所 | 大倉ダム管理事務所 |
配布時間 | 8:30~17:15(平日) 9:00~16:00(土日祝) |
配布条件 | ダムを訪れた方に配布 |
※最新の配布情報や時間変更の可能性もあるため事前の確認をおすすめします。
まとめ
宮城県仙台市に位置する大倉ダムは、その国内でも稀なダブルアーチ式コンクリートダムの姿と、周囲の豊かな自然が魅力のダムです。地域の安全と暮らしを支える重要な役割を担いながら、訪れる人々に心安らぐ時間と、美しい自然の景色を提供してくれます。
ぜひ一度、この大倉ダムを訪れて、その堅実な存在感と、水の恵みを肌で感じてみてください。
訪問日 | 2025年8月13日 |
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